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TikTok・Shorts用BGMの音圧調整テクニック

TikTokやYouTube Shorts向けBGMの音量基準、アプリ内音量との関係、目立つBGMの作り方を解説。DeckReadyでの事前処理テクニックも紹介。

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短尺動画の勝敗はBGMで決まる#

TikTokやYouTube Shortsで「バズる動画」と「スルーされる動画」の差はどこにあるのか。 映像のクオリティはもちろん重要ですが、実はBGMの選び方と音量設定が視聴完了率に大きく影響しています。

短尺動画は最初の1-2秒が勝負です。 スクロールの手を止めさせるには、視覚だけでなく聴覚にもインパクトを与える必要があります。

しかし、BGMの音圧が適切でなければ、その効果は半減してしまいます。

この記事では、短尺動画プラットフォーム向けのBGM音圧調整テクニックを解説します。

TikTok・Shortsの音量基準#

プラットフォーム別の仕様#

プラットフォームラウドネス基準ノーマライゼーション
TikTok非公開(推定-14〜-16 LUFS)あり(音圧高い動画は下げられる)
YouTube Shorts-14 LUFS(YouTube準拠)あり
Instagram Reels非公開(推定-14 LUFS)あり(限定的)

TikTokは公式にラウドネス基準を公開していませんが、 内部的にはラウドネスノーマライゼーションが動作していると考えられます。

実際の視聴環境#

短尺動画の視聴環境は、音楽ストリーミングやYouTube長尺動画とは大きく異なります。

主な視聴環境:

  • スマホの内蔵スピーカー(低域再生能力が低い)
  • 電車やカフェなどの騒がしい場所(外部ノイズと競合)
  • Bluetoothイヤホン(音質は中程度)
  • 布団の中で音量を下げて視聴(小音量でも聞こえる必要がある)

つまり、スマホのスピーカーで、小音量でも、 ノイズの中でも聞こえるBGMが理想ということです。

アプリ内音量との関係#

TikTokの編集画面での音量調整#

TikTokアプリで動画を作成する際、BGMと「オリジナル音声」(動画の音)のバランスを調整できます。

  • オリジナル音声 — 動画撮影時のマイク音(ナレーション、環境音)
  • BGM音量 — アプリ内で選んだ楽曲の音量

このスライダーは相対的な音量比を調整するものです。 BGM素材自体の音圧が低いと、スライダーを最大にしても音が小さく感じられます。

問題:BGM素材の音圧がバラバラ#

TikTokの楽曲ライブラリの曲はプラットフォーム側で音量調整されていますが、 自分でアップロードするBGM素材の場合は、 音圧を自分で管理する必要があります。

CapCutなどの編集アプリで外部BGMを使う場合も同様です。 素材の音圧が不揃いだと、以下の問題が発生します:

  • 動画AのBGMは大きいのに、動画BのBGMは小さい
  • シリーズ動画なのに毎回BGMの音量感が違う
  • 手動で毎回音量調整する手間がかかる

目立つBGMの作り方#

スマホスピーカーで映えるEQ設定#

スマホの内蔵スピーカーは、100Hz以下の低域をほとんど再生できません。

つまり、低域に頼った音圧は意味がないということです。

スマホで目立つBGMの周波数特性:

帯域処理理由
100Hz以下カットスマホで再生できない帯域
200-500Hzフラットor軽くカットこもりを防ぐ
1kHz-3kHz軽くブースト(+1〜2dB)スマホスピーカーの再生効率が高い帯域
3kHz-8kHzブースト(+2〜3dB)存在感と明瞭度をアップ
10kHz以上フラットor軽くブーストきらめき感を追加

コンプレッションで安定させる#

短尺動画のBGMは、音量の変動が少ない方が使いやすいです。

通常の楽曲は静かなイントロから始まってサビで盛り上がる構成ですが、 15秒-60秒の短尺動画では、最初から最後まで一定の音量感がある方が動画と合わせやすいです。

推奨コンプレッション設定:

  • Ratio:4:1〜6:1(やや強め)
  • Attack:5-10ms
  • Release:50-100ms

ラウドネスの目安#

短尺動画用BGMの推奨ラウドネス:

用途推奨LUFS理由
BGMメイン(音楽動画)-12〜-14 LUFS音楽が主役の場合
ナレーション+BGM-16〜-18 LUFS(BGMのみ)声を邪魔しないため
テキスト動画+BGM-14〜-16 LUFSテキストの読みやすさとBGMのバランス

ナレーション付きの動画では、BGMの音圧を下げておくことが特に重要です。 アプリ側で下げることもできますが、元素材の段階で適切なレベルにしておく方が品質が安定します。

DeckReadyでの事前処理#

Streamingプリセットの活用#

DeckReadyのStreamingプリセットは、 短尺動画プラットフォームにも対応しています。

処理内容:

  • ラウドネス正規化(-14 LUFS)
  • True Peak制限(-1 dBTP)
  • 中高域ブースト(スマホ再生最適化)
  • ソフトリミッター

バッチ処理で素材ライブラリを統一#

短尺動画クリエイターは、BGM素材のライブラリを持っていることが多いです。 フリーBGMサイトからダウンロードした曲、購入したロイヤリティフリー音源、自作の楽曲など。

これらの音量がバラバラだと、動画を作るたびに音量調整が必要になります。 DeckReadyで全素材を一括処理しておけば、 どの曲を選んでも同じ音量感で使えます。

手順:

  1. BGM素材フォルダ内の全ファイルをDeckReadyにアップロード
  2. Streamingプリセットを選択3. バッチ処理を実行4. 処理済みファイルで素材フォルダを更新

一度やってしまえば、その後は新しい素材を追加する時だけ処理すればOKです。

実践:バズる動画のBGM設定#

パターン1:テキスト解説動画#

テキストがメインの動画では、BGMは「空間を埋める」役割です。

  • BGM音量:かなり控えめ(-18〜-20 LUFS程度)
  • ジャンル:Lo-Fi、アンビエント
  • 注意点:テキストの読みやすさが最優先

パターン2:商品紹介・レビュー動画#

ナレーションで商品を紹介する動画。

  • BGM音量:ナレーションの-12〜-15dB下
  • ジャンル:ポップ、エレクトロニック(テンポ感重視)
  • 注意点:ナレーションのクリアさを確保。BGMは後ろに引く

パターン3:ダンス・パフォーマンス動画#

音楽が主役の動画。

  • BGM音量:最大(-12〜-14 LUFS)
  • ジャンル:ヒップホップ、EDM、ポップス
  • 注意点:音圧を稼ぎつつクリッピングしないラインを探る

パターン4:Vlog・日常動画#

環境音とBGMのミックス。

  • BGM音量:控えめ(-16〜-18 LUFS)
  • ジャンル:アコースティック、チル
  • 注意点:環境音の臨場感を殺さないレベルに

編集アプリ別の注意点#

CapCut#

  • 音量調整は-100〜+100のスライダー
  • 0が元の音量、マイナスにすると下がる
  • DeckReadyで事前処理した素材なら、スライダー0のまま使える

Adobe Premiere Rush#

  • dB単位で音量調整可能
  • より精密な制御ができるが、操作は複雑
  • 事前にラウドネスを揃えておくと作業が楽

InShot#

  • シンプルな音量スライダー
  • フェードイン/フェードアウト設定が可能
  • 精密な調整はできないので、素材の段階で適切な音圧にしておくのが重要

よくある失敗と対策#

失敗1:音圧を上げすぎてクリッピング#

音を目立たせたい一心で音圧を上げすぎると、 デジタルクリッピングが発生してバリバリした歪みが入ります。 特にスマホのスピーカーでは歪みが目立ちやすいので逆効果です。

対策:True Peakを-1 dBTP以下に抑える。 DeckReadyのソフトリミッターを使えば自動で制限されます。

失敗2:低域を盛りすぎる#

サブベースやキックの低域を強調しても、スマホのスピーカーでは聞こえません。

むしろ、その低域がスピーカーの限界を超えてビリビリと歪むだけです。

対策:100Hz以下をカット。 中高域で存在感を出す。

失敗3:毎回手動で音量調整#

動画を量産するクリエイターにとって、毎回BGMの音量を手動で調整するのは大きな時間ロスです。

対策:DeckReadyで素材ライブラリ全体を事前処理。 一度統一すれば、以降は音量調整なしで使える。

まとめ#

TikTok・Shorts用BGMの音圧調整で重要なのは3点です。

  1. スマホ再生を前提にする — 低域カット+中高域ブーストで、小さいスピーカーでも映えるサウンドに
  2. プラットフォームの基準を意識する — -14 LUFSを目安にラウドネスを管理3. 素材の音量を統一する — DeckReadyのバッチ処理で、素材ライブラリ全体を一括最適化

短尺動画は量産が求められるフォーマットです。 BGMの音質調整を毎回手動でやるのではなく、 仕組みで解決することが、継続的なコンテンツ制作の鍵になります。

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