ゲーム実況の音声バランス最適化ガイド【ゲーム音+マイク+BGM】
ゲーム実況・配信の音声バランス設定を徹底解説。ゲーム音・マイク音声・BGMの3ソースの最適な音量比率、マイク音声のマスタリング、ラウドネス設定まで。視聴者が聞きやすい配信音声を作るコツ。
はじめに:ゲーム実況の音声は3つのソースで構成される#
ゲーム実況や配信の音声品質は、視聴者の離脱率に直結する重要な要素です。 画質が多少荒くても見続けてくれる視聴者はいますが、 音声が聞き取りにくい配信はすぐに離脱されるというデータがあります。
ゲーム実況の音声は、以下の3つのソースで構成されています。
- ゲーム音:効果音、BGM、環境音
- マイク音声:実況者のトーク3. 配信BGM:待機画面や休憩中の音楽
この3つの音量バランスが崩れると、「ゲーム音が大きすぎて声が聞こえない」「マイクの音割れがひどい」「BGMがうるさい」といった問題が発生します。
この記事では、視聴者が快適に視聴できる音声バランスの設定方法を、 具体的な数値とともに解説します。
3ソースの最適な音量バランス#
基本の音量比率#
ゲーム実況における3ソースの推奨音量比率は以下の通りです。
| ソース | 推奨レベル | 基準との差 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| マイク音声 | -12〜-6 dBFS | 基準 | 最高 |
| ゲーム音 | -24〜-18 dBFS | マイクの-12dB | 高 |
| 配信BGM | -30〜-24 dBFS | マイクの-18dB | 低 |
最も重要なのはマイク音声です。 視聴者が配信を見る最大の理由は、実況者のトークを聴くことだからです。 ゲーム音やBGMは、マイク音声を引き立てる「脇役」として位置づけましょう。
ジャンル別の調整#
ゲームのジャンルによって、ゲーム音の重要度は変わります。
FPS・TPS(シューティング)
- ゲーム音をやや大きめに:足音や銃声の情報が重要
- 推奨比率:マイク -10dB / ゲーム音 -16dB / BGM -28dB
RPG・ストーリー系
- ゲーム音は控えめに:ストーリーの会話とマイクが被らないように
- 推奨比率:マイク -10dB / ゲーム音 -22dB / BGM なし
音ゲー・リズムゲーム
- ゲーム音を最優先:音楽がゲームの本質
- 推奨比率:マイク -14dB / ゲーム音 -10dB / BGM なし
ホラーゲーム
- ゲーム音とマイクを同程度に:環境音とリアクションの両方が大事
- 推奨比率:マイク -12dB / ゲーム音 -14dB / BGM なし
マイク音声のマスタリング#
ノイズ除去#
配信環境では、キーボードの打鍵音、エアコンの音、生活音などのノイズが入り込みます。 以下の処理で除去しましょう。
ノイズゲート設定
- 閾値(Threshold):-40〜-35dBFS
- アタック:1〜5ms(素早く開く)
- リリース:50〜100ms(自然に閉じる)
- ホールド:50ms(チャタリング防止)
ノイズゲートは声が小さい時にも閉じてしまうリスクがあるため、閾値は慎重に設定してください。
コンプレッサー設定#
実況中は声の大きさが常に変動します。 叫んだ時と小声で話す時の音量差を縮めるため、コンプレッサーを適用します。
- 閾値:-20〜-16dBFS
- レシオ:3:1〜4:1
- アタック:5〜10ms
- リリース:100〜150ms
- メイクアップゲイン:圧縮分を補正
イコライザー設定#
声の明瞭度を高めるためのEQ設定です。
- 80Hz以下:ハイパスフィルターでカット(振動やポップノイズ除去)
- 200〜300Hz:-2〜-3dB(こもりの軽減)
- 2〜4kHz:+2〜+3dB(声の明瞭度向上)
- 6〜8kHz:+1〜+2dB(息遣いの自然さ、存在感)
リミッター設定#
叫び声や突発的な大きな声でクリッピング(音割れ)が発生しないよう、 最終段にリミッターを設置します。
- シーリング:-3〜-1dBFS
- リリース:50〜100ms
BGMのラウドネス設定#
待機画面・休憩中のBGM#
配信開始前の待機画面や休憩中は、BGMが主役になります。 この時はBGMの音量を上げ、視聴者が離脱しないようにします。
- 推奨音量:-16〜-12 dBFS
- ジャンル:Lo-Fi、チルアウト、ゲームの雰囲気に合う曲
- 注意:著作権フリーの楽曲を使用すること
実況中のBGM#
実況中にBGMを流す場合は、マイクやゲーム音の邪魔にならないよう極端に低い音量に設定します。
- 推奨音量:-30〜-24 dBFS(ほぼ聞こえないレベル)
- ジャンル:インストゥルメンタル、アンビエント
- 避けるべき:ボーカル入りの曲(声と被る)
BGMの音量統一#
複数の曲をBGMとして使用する場合、曲ごとの音量差があると不快です。 事前にラウドネスノーマライゼーションを適用し、 すべてのBGMを同じLUFS値に統一しておきましょう。 ターゲットは-16 LUFS程度が適切です。
OBSでの設定手順#
音声ミキサーの基本設定#
OBS Studio での音量設定手順です。
- ゲーム音(デスクトップ音声):ミキサーのスライダーを-18〜-12dBに設定
- マイク音声:ミキサーのスライダーを-6〜0dBに設定3. BGM(メディアソース):ミキサーのスライダーを-24〜-18dBに設定
音声フィルターの適用順序#
OBSの音声フィルターは、上から順に処理されます。 推奨の適用順序は以下の通りです。
- ノイズ抑制(RNNoise推奨)
- ノイズゲート3. コンプレッサー4. ゲイン(必要な場合のみ)5. リミッター
この順序を守ることで、ノイズ除去→ダイナミクス調整→音量調整という自然な処理フローになります。
モニタリングの設定#
配信中は必ずヘッドフォンでモニタリングし、視聴者に届いている音声を確認しましょう。 OBSの「オーディオの詳細プロパティ」から各ソースの「音声モニタリング」を設定できます。
プラットフォーム別の推奨設定#
YouTube Live#
- 推奨ラウドネス:-14 LUFS
- サンプルレート:48kHz
- ビットレート:128kbps(AAC)
Twitch#
- 推奨ラウドネス:-14 LUFS
- サンプルレート:48kHz
- ビットレート:160kbps(AAC)
ニコニコ生放送#
- 推奨ラウドネス:-14 LUFS
- サンプルレート:44.1kHz
- ビットレート:128kbps(AAC)
よくあるトラブルと対策#
声がゲーム音に埋もれる#
原因の多くは、ゲーム音の音量が高すぎることです。 ゲーム音を-6dB下げるだけで劇的に改善します。
マイクが音割れする#
リミッターの設定が不十分か、マイクゲインが高すぎます。 まずマイクの入力ゲインを下げ、その後リミッターのシーリングを確認しましょう。
視聴者から「音が小さい」と言われる#
配信全体のラウドネスが低い可能性があります。 OBSの出力を-14 LUFS付近に調整し、必要に応じてゲインを追加してください。
まとめ#
ゲーム実況の音声バランスで押さえるべきポイントです。
- マイク音声を最優先にバランスを構築する
- ゲーム音はマイクの**-12dB下を目安に設定3. BGMはマイクの-18dB下で控えめに4. ノイズゲート→コンプレッサー→リミッターの順で音声処理5. 80Hz以下のハイパスフィルターでノイズをカット6. BGMは事前にラウドネスを統一しておく7. ヘッドフォンでのモニタリングを必ず行う**
適切な音声設定は、視聴者の満足度とチャンネルの成長に直結します。
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